お風呂場のオルゴール
朝起きて、胸がチクンとした。
ふっとしたことで、お母さんのことを思い出したからだ。
たくさんある、せつなくなる思い出の中の1つ。
その中でもひときわ悲しくなる1つ。
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お母さんは亡くなる前から
入退院を繰り返していた。
今思えば
それは最後の入院だった。
入院するかしないかの瀬戸際で
辛そうなお母さんを見ていることが
辛い時期だった、たしか夏前。
ある時、
オルゴールつきの入浴剤がうちにあった。
入浴剤と、カードのオルゴール(ボタンを押すとオルゴールがなる、ポストカードみたいなもの)
お母さんはそれを喜んで
お風呂に入る度にそのオルゴールを鳴らしてた。
ドリカムの曲だったのを覚えてる。
お風呂に入ってると痛みが止んで楽だって話してたお母さん。
いつもオルゴール聴いてた。
そしてお母さんが亡くなった。
お風呂場に置いてあったオルゴール。
ボタンを押すと
途切れ途切れに曲が流れて、
やがて止まった。
まるでこのオルゴールも寿命みたいだった。
今でもあの時を思い出す。
鳴らなくなったオルゴール。
思い出す度に悲しくてせつなくなる。
これを書いてる今もボロボロ泣いている(;_;)